八重樫幸雄はDeNAラミレス監督が心配。「孤立していないかな?」 (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

――そして、2007年のオフに巨人に移籍します。ここで八重樫さんとラミレスとの関係はいったん終了しますね。巨人時代のラミレスをどう見ていますか?

八重樫 ますます円熟味を増したバッターになっていたよ。敵からしたら、すごくイヤなバッターになっていたね。ある試合で、初回にラミレスに打席が回ってきた時、彼は平然とボールを見逃したんだ。それも、厳しい球だけじゃなくて、甘いボールもピクリともしない。そして、何食わぬ顔で見逃し三振をして、ベンチに戻っていった。あれは印象的だったなぁ。

――甘いボールを平然と見逃して三振。それはどんな狙いがあったんですか?

八重樫 おそらく、ラミちゃんは「対投手」というより、「対捕手」という観点で打席に入ったと思うんだよね。この日のヤクルトバッテリーの攻め方を見極めるために打席に入っていたんだと思う。実際に、この日はホームランを含めて、ラミちゃんにすごく打たれたから。あれはラミちゃんの凄みを感じたな。

【八重樫による「監督・ラミレス」評は?】

――キャッチャー目線で言うと、相手の四番打者が平然と甘いボールを見逃すというのは、どんな心境になるんですか?

八重樫 それはすごく怖いものですよ。ピッチャーが投げた瞬間に、キャッチャーは「あっ、しまった!」と思う。一発を覚悟したのに、バッターは平然と見逃し三振。決して「裏をかいた」とは思わないですよね。むしろ、「今の見逃しにはどんな意図があったんだろう?」「何を狙っていたのか?」と怖くなる。現役時代の落合博満が、まさにそういうタイプだったな。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る