2019.12.18

中日ドラ3岡野祐一郎投手の武器は「間」。
長く立つで打者を惑わす

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Nagata Ryotaro

 圧倒的──マウンドで堂々と投げる彼の姿を見て、アマチュア球界最高峰の貫録を感じた。

 平均球速は140キロ中盤だが、打者の手元でうねりを上げ、打球を詰まらせる。両サイドにピタッと決まる制球力も申し分なく、ストレート、変化球ともに失投が少ない。さらにフィールディング、走者を出してからの間合い、けん制のバリエーション、クイックといった投げること意外の技術も優れており、安心して試合を任せられる投手だ。

 今秋のドラフトで中日から3位指名を受けた東芝の岡野祐一郎は、ただの速球自慢とは違う”大人の投球”で、相手打者を手玉に取る真の即戦力ピッチャーだ。

今年のドラフトで中日から3位指名を受けた東芝・岡野祐一郎 昨年のドラフト前も、多くのメディアに取り上げられながら、プロからの指名はなかった。ならば、誰の目から見ても「違う」と感じる圧倒的投球を見せつければいいと、決意を新たに挑戦が始まった。

 岡野がいかにすごい投手か、今季の数字を見れば明らかだ。主要大会8試合の成績は52イニングを投げて防御率0.87。2019年の社会人野球最優秀防御率賞を受賞した。

 とくに印象に残ったのは、7月16日の都市対抗2回戦のJR東海との試合だ。先発した岡野は、抜群の制球力と打者のタイミングを外す絶妙な投球術で相手打線を翻弄した。バッテリーを組んだ柴原健介が、岡野についてこう語る。

「昨年もよかったんですけど、今年のほうが断然上ですね。真っすぐがよくなっているのは間違いないです。昨年よりもスピンがかかっていると思います。それに間(ま)が長くなったので、バッターはタイミングが取りづらいと思います。バッターにしてみれば球速表示以上のものを感じているはずです」

 このコメントで注目すべき点は、岡野という投手がいかにタイミングの取りづらいピッチャーであるかということだ。ここに今季、岡野が飛躍した秘密が隠されている。

「今年は立つ時間を長くしています。その時、両足を揃えたほうが立ちやすかった。自分の体のバランス、フォームのバランスを考えた時に、足を揃えたらいい感じで立てた。それが練習でわかったので、今年はこれでいこうと決めました」