DeNAラミレス監督が采配を語る。筒香の穴埋め、打順問題、投手起用 (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu

――昨シーズン終了後に課題に挙げていた1番打者については?

「私は3割を打つよりも選球眼がよく、粘ることができて出塁率が高い選手を1番に置きたいと考えていますし、実際にそういった1番がいるチームは強い。その点、今シーズンの前半は神里(和毅)がよくやってくれました。彼の調子が落ち始めてからは、中井(大介)や乙坂(智)などを起用してみたのですが、結果は期待通りとはいきませんでした。乙坂に関しては、ファイティングスピリットがすばらしく、チャンスの場面での一打、勝負を決する場面での代打などで存分に力を発揮してくれる選手ですね」

――来シーズンに向け、どういったところを改善しようと考えていますか?

「得点数を上げることです。1番での出場が多かった神里の得点数は62。2番以降を打つ(ネフタリ・)ソトの82、筒香(嘉智)の74、(ホセ・)ロペスの69を下回ってしまいました。他のチームでいうと、ヤクルトの山田哲人選手(102得点)や阪神の近本光司選手(81得点)のように、塁に出たら高確率でホームに還ってくる1番を確立しないといけません。

 神里に限った話ではありませんが、まずは出塁する意識を徹底させること。そして、二塁走者がシングルヒットで生還できない場面もありましたから、ベースランニングについても走塁コーチと相談しつつ、奄美での秋季キャンプから改善していこうと考えています」

――主軸に関しては、メジャーリーグ挑戦を表明した筒香選手が抜けることも大きな痛手となると思いますが。

「それは間違いないですが、レフトのレギュラーポジションが空くので、他の選手たちにチャンスが巡ってきます。今シーズンも佐野(恵太)、細川(成也)、楠本(泰史)などがいい活躍をしていたので、彼らのような若い選手の成長が期待できるという点では、プラスの要素もあると思っています」

――より"スモールベースボール"を意識したチームを作っていくことになりますか?

「大きな変化はないと思います。現代の野球は1番から5番までに強打者を揃え、初回から大量点を狙うことが主流になっています。うちも例に漏れず、筒香を2番で起用することもありましたが、パワーヒッターの佐野や細川もその役割を任せられる選手です。楠本は足が速いので、彼を起用する場合は足を絡めた戦術もとれます。しかし、シーズンを"スモールベースボール"で戦い抜くというのは考えにくい。そこは状況に合わせてですね」

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