巨人・中川皓太が大胆に変貌。
フォーム改造と「勝てばいいや」精神
リーグ首位を走る巨人に今やこの男は外せない。中川皓太だ。
2015年のドラフト7位で東海大から巨人に入団した左腕は、昨シーズン、プロ初勝利、初セーブ、初ホールドを記録した。昨夏に腕をスリークォーター気味に下げたところ、そのフォームがフィット。昨年の後半戦は19登板で21回2/3を投げて防御率3.32、奪三振もイニング数とほぼ同じ21を記録。2019年の飛躍を期待させた。
そして、今季は開幕から勝ちパターンの継投で7回以降を任され、中川もチームの要求に応えた。
今シーズン、開幕から16試合連続無失点を記録した中川皓太 新外国人のクックが右ひじの違和感で離脱したあとは、クローザーも務めている。開幕から16試合17イニング連続無失点を記録するなど結果を残し続け、ここまで(6月27日現在)、33登板34回1/3を投げて防御率は1.31。奪三振はイニング数を上回る39。すでに9セーブを挙げている。
「昨年までにはないペースと緊張感のなかで投げていますが、肉体の面でも気持ちの面でも疲れは感じません。あるのは8回や9回に指名してもらえるという喜びですね」
そう充実した表情をみせる中川だが、プロ4年目だけあり、ペナントレースの難しさもよく知っている。
「ただ、今は結果が出ているから疲労を感じていないだけだと思います。今後打たれる時がきっときます。その時に疲労や苦しさをいかにこらえて、どう対処するか......」
腕を下げることによって成績を残すようになった中川だが、そのきっかけは軽い気持ちからだった。
「最初は遊びのような感じで、試しに腕を下げてみたんですよ。そうしたら結構しっくりくるものがあって......。サイドハンドの田原(誠次)さんに相談したり、阿部(慎之助)さんに打者の視点で見てもらったりして、今の投げ方へと落ち着きました」
フォームを変えることによって、中川の投球スタイルも変わった。中川の本質は、質のいい速球をしっかり制球できることだ。だから、今まではストレートを軸に投球を組み立てていた。しかし、フォーム変更後はもうひとつの軸としてスライダーが加わり、ストレートとスライダーの2つの球種で打者と対するようになった。
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