2019.06.04

ヤクルト、16連敗ストップの舞台裏。
交流戦での逆襲に期待だ

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 6月2日、午前8時10分。三塁側ベンチ前でヤクルトの石井琢朗打撃コーチは、早出練習で黙々とバットを振り込んでいるDeNAの宮崎敏郎とあいさつを交わすと、外野に向かいポール間のランニングを始めた。20分ほど走り、三塁ベンチ前でストレッチをする頃には、DeNAの選手たちが外野でアップを始めていた。

 石井コーチに「走っている間は無心なのですか?」と聞くと、こう返ってきた。

「いろいろ考えています。いちばん考えることのできる時間ですからね」

連敗を16で止め、試合後に安堵の表情を見せるヤクルトの選手たち チームは前日の完封負けでセ・リーグワーストタイの16連敗となり、この日のDeNAとの試合に敗れると不名誉な記録更新となってしまう。

「連敗を抜け出すきっかけは何度かあったと思っています。とくにホームラン3連発で勝てなかった試合ですかね。あれで『これでも勝てないのか』と、気持ち的にドーンと重くなってしまった。もうここまできたら技術とかじゃないです。技術は持っていますし、本当にちょっとのきっかけというか、その時のめぐり合わせというか……。そのなかで僕らは、選手たちをいかに気持ちよく打席に立たせてあげられるか。そのことばかり考えています」

 石井コーチが言った”ホームラン3連発”とは、5月26日の中日戦(神宮球場)のことで、3回裏に青木宣親、山田哲人、ウラディミール・バレンティンの3者連続ホームランでリードを4点差に広げるも、結局8―10で逆転負け。これでチームの連敗は11となった。

 この連敗中、毎試合のように打順や起用する選手を入れ替えたが、その甲斐もなく、気がつけば自慢の強力打線のチーム打率はリーグ最下位まで落ち込んだ。石井コーチは言う。

「不動でいくのか、それともいじるのか、いろいろやってきましたが、結果的にそこがはまらなかった。前から話していますが、今は打線として過渡期だと思っています。ベテランが多く、いつまでも今の打線でいくことはできません。そのための底上げをしている最中で、主力が抜けた巨人戦(5月10日からの3連戦/このカードは2勝1敗と勝ち越し)は、僕らが”美女木スワローズ()”と呼んでいる若手が躍動してくれた。まだまだ年間を通しては難しいけど、僕は光を見ました」

※ヤクルトの二軍施設が埼玉県戸田市美女木にあるため