攻守で巨人に欠かせない亀井善行「脇役で何でもやらなきゃいけない」
ジャイアンツの背番号9――。
記憶にあるのはV9時代の正捕手、森昌彦の控えだった吉田孝司からだ。なにしろ16年もの長い間、吉田はジャイアンツの9番を背負っていた。その後は(近鉄)バファローズから移籍してきた有田修三が4年、外野手のマイク・ブラウンを1年挟んで、1991年からは村田真一が11年間、9番をつけていた。
プロ15年目の今季もチームの主力として活躍している巨人・亀井善行 つまり、ジャイアンツの9番は長きに渡ってキャッチャーの背番号だったのだ。しかし2002年、35番をつけていた外野手の清水隆行が9番を背負い、その流れは現在の亀井善行によって受け継がれた。亀井の背番号が35から9になって今年で11年目になる。阿部慎之助に次いでジャイアンツのユニフォームを長く着続けている生え抜きの亀井は、ジャイアンツの魅力について、こんなふうに話した。
「ジャイアンツって何年か前までは常に強いチームでしたし、そこが魅力だったと思うんですけど、今はちょっと勝てていない時期が続いていて......。でも、難しい時期にきているからこそ、もっと若い人たちに頑張ってもらって、もっと強いチームをつくっていかなきゃいけない。僕は、強いというところからしか魅力は生まれないんだと思います。そのためにも(高橋)由伸さんとか、先輩方の準備のすごさを僕たちが受け継いで、後輩たちにも伝えていかなくちゃならない。僕、関西(奈良)なんですけど、子どもの頃からジャイアンツファンなんですよ。原(辰徳)さんとか篠塚(利夫)さんの時代。今もジャイアンツには関西出身の選手が多いんですけど、僕の周り、みんな、関西なのにジャイアンツファンだったという人ばっかりですからね(笑)」
亀井は今年、37歳になる。
プロ14年目の去年は、開幕こそ二軍からのスタートとなったが、4月早々、一軍に上がるとチームに欠かせない存在感を示した。結局、去年の亀井は123試合に出場して、9年ぶりに規定打席に到達。ホームランも13本と、これまた9年前の2009年に放った25本以来となる、久々の2ケタ台に乗せた。
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