「浅村ロス」の西武打線に最適解。秋山翔吾と外崎修汰が得た糧とは (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • 小池義弘●撮影 photo by Koike Yoshihiro

 今は、外崎ががんばってくれています。打線のハマりがよくなって、チームが勝っている。僕が3番や2番に入ることもあったけど、そういうこと(打線の組み換え)はシーズン中に絶対あるんですよ。その時に、監督に迷わせることがないような選手でいないといけない」

 おそらく「3番・外崎」はしばらく続くだろう。1、2番に出塁率の高い秋山、源田が入り、長打力のある外崎、山川、森と続くのは、打線の噛み合わせ的にもいい。

 ただし、秋山の言うように、選手たちには調子の波やアクシデントもあり、現在の並びが最後まで続くとは限らない。上位打線を任されるような主力級に求められるのは、さまざまな役割を担えるほど幅広い能力を身につけていくことだ。

 3番で辛酸を舐めた秋山と、無心で重責を担う外崎──。

 現時点で言えるのは、1番・秋山、3番・外崎の並びのほうが、打線として機能しているということだ。ただし、「3番」という極めて大きな役割を担った経験は、秋山、外崎ともに糧(かて)になるはずである。

 浅村ほど傑出した能力を誇る選手の穴は、簡単に埋まるわけがない。だが、人間の肉体同様、チームは新陳代謝を繰り返さなければ、本当の意味で強くなっていくことはない。

 前向きに捉えるなら「3番」という穴が空いたからこそ、秋山や外崎は新たな経験をできている。そうしたなかで切磋琢磨し、チームとして相乗効果が生まれた時、「浅村ロス」は過去のものとなり、誰の脳裏からも消し去られているはずだ。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る