2019.05.29

「浅村ロス」の西武打線に最適解。
秋山翔吾と外崎修汰が得た糧とは

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • 小池義弘●撮影 photo by Koike Yoshihiro

「それを言われちゃうと、自分としてはすごく悔しさもあります」

 試合を決めたヒーローとしてはふさわしくない一方、実に秋山翔吾らしい言葉だった。5月25日の日本ハム戦で2本塁打を含む4安打で勝利の立役者になった後、記者から西武・辻発彦監督の「1番で気持ちよく打てているのかな」というコメントを伝えられると、冒頭の反応を示したのだ。

楽天に移籍した浅村栄斗の「3番」に定着しつつある外崎修汰 2015年から「1番センター・秋山」は、西武打線の看板だった。しかし今季、開幕から秋山が任されたのは「3番」。2歳下で、ともに打線を牽引してきた浅村栄斗が楽天にフリーエージェントで移籍したからである。

 昨季リーグ最多の127打点を挙げた浅村の穴を、果たして誰が埋めるのか――。開幕直後の西武が思うように勝ち星を重ねられないなか、”浅村ロス”を指摘する声は少なくなかった。

「そこ(1番)でしかできないというのは、数字としてははっきり出ちゃっている部分があるし。しょうがないんですかね。そう思いたくないですけど」

 4月終了時点で打率.232と、低迷からなかなか抜け出せなかった秋山だが、5月になると復調し、26日時点でリーグ3位の打率.323(以下、今季成績は5月26日時点)。開幕から1番で起用された金子侑司が出塁率を高められず、5月9日のロッテ戦から1番に入ると、水を得た魚のように打ちまくっている。

 打線は右打者と左打者の並び、各打者の出塁率や長打力、走力などを組み合わせ、9人の打者の持ち味が最大限に発揮されるのが理想的だ。過去2年連続で.930以上という傑出したOPS(出塁率+長打率)を残した秋山は、机上では理想的な3番に思えた。

 しかし、今季の西武打線は思うように機能せず、約30試合を戦い終えたゴールデンウイーク明け、上位打線の組み換えが図られる。3番で源田壮亮、森友哉が起用されたなか、5月下旬、定着しそうな候補が見つかった。大卒5年目の外崎修汰だ。

「打順が関係あるのは、初回だけだと思います。去年は6番で、初回に回ってくることが滅多にない。それに慣れていました。要は、1番も2番も3番も(初回に回ってくるのは)一緒って感じですね」