高津臣吾が松井秀喜に打たれた初本塁打「仕方なく投げた直球だった」 (4ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

――クローザーとしてチームに貢献し、そして日本一になる。高津さんにとっても、そんな明確な目標が芽生えたわけですね。

高津 いえ、「クローザーとして」ということは、この頃はそんなに意識していなかったと思います。1993年シーズンはリリーフを中心に投げていましたけど、「先発に戻りたい」とも思わなかったし、かといって「クローザーになりたい」とも思っていませんでした。考えていたのは、「ベンチ入りピッチャー11人、あるいは12人の中に入りたい」ということだけ。それが敗戦処理であろうが、ワンポイントであろうが、「とにかくベンチに入りたい」という思いだけでした。

――そのような思いを抱きつつも、1993年シーズンは6勝4敗20セーブという、堂々たる成績を残し、リーグ2連覇に貢献します。主力として念願の日本シリーズのベンチ入りを果たしました。

高津 前年の悔しさがあったから本当に嬉しかったし、「今年こそ、西武を倒して日本一になるぞ!」という思いで、この年のシリーズを迎えました。

(後編に続く)

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