逆転の発想で甲斐拓也が挑む究極捕手像「盗塁阻止より企画させない」 (4ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 3月には侍ジャパンの強化試合のメンバー入りも果たしました。すっかり代表の常連選手となった印象があります。

「そんな力はないと思っています。だけど、稲葉(篤紀)監督が呼んでくれるので、その気持ちに応えたいという思いはあります。それだけの力をつけようと」

―― 2020年の東京五輪への思いはありますか。

「そこはイメージできないです。そこに合わせるような選手ではありませんから。今は、もらったチャンスをいい形で返していけるようにするだけです。あとはホークスというチームで戦わないといけないので、そこが大事になるのかなと思っています」

―― 今年の秋、自分自身に「よくやった」と言えるとしたら、なにを達成したときですか。

143試合、出たいですね。フルイニングはさすがにわからないけど、少しでも多く試合に出たいです。そして勝つ。何度も言いますが、勝たないと意味がない。1位じゃないとダメなんです」

―― 個人的には盗塁阻止率6割4分4厘にどこまで近づけるかにも注目したいところです

「そこは意識していません。盗塁阻止はピッチャーとの共同作業です。なので、その数字よりも盗塁企画数が少ない方がいい。企画数がメチャクチャ少ないのなら、阻止率1割だとしてもそっちの方がいいと思っています。だって、いい球を投げてもセーフになることもあれば、メチャクチャな球でもアウトになる時があります。もちろんアウトになるのがいいですけど、あくまで数字は数字でしかない。盗塁企画そのものが減った方が、ピッチャーは楽だと思います」

―― ちなみに、あえて"甲斐キャノン"の天敵を挙げるとすれば誰ですか。

「日本ハムの西川遥輝ですね。スタートの技術もそうですし、リードがメチャクチャ大きいのに戻れることもそうです。さらに走ってしまえばトップスピードに乗るのも早いし、スライディングも強い。すべての技術が揃っている。一番だと思います」

―― 最後に今季の意気込みを教えてください。

「プレッシャーに勝つ。強くならないと上のレベルには行けないですから。自分自身、もっと強くなっていきたいです」

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