2019.02.26

藤原恭大が語る知られざる苦悩。
ロッテで54年ぶり開幕スタメンなるか

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ロッテの高卒ルーキー、藤原恭大(きょうた)が開幕一軍、そしてスタメンを目指し奮闘を続けている。

 中学時代は大阪の強豪・枚方ボーイズで小園海斗(広島ドラフト1位)としのぎを削り、大阪桐蔭では根尾昂(中日ドラフト1位)とライバル関係にあった。そのふたりと同じドラフト1位で指名され、ライバルの存在を大きな力に変える藤原にとって、プロの世界は願ってもない最高の環境であるのは間違いない。

昨年のドラフトで3球団から1位指名を受けた藤原恭大 とはいえ、まだ18歳の高卒ルーキーである。プロのレベルに圧倒されて、ペースを崩してもおかしくない。しかし、藤原にそのたぐいの不安はまったく浮かばない。

 これまで通りガムシャラに、それでいて必死さのなかにも自分のペースを崩さない意志の強さ。そんな藤原を見て感じるのが経験の豊富さである。

 枚方ボーイズ時代は、中学の硬式クラブで史上初となる主要5大会すべて日本一の偉業を経験。大阪桐蔭でも全国の強豪から標的とされるなか、3度の日本一を達成。とくに3年時は、史上初となる同一校による春夏連覇にチームの4番として大きく貢献した。

 また2年の時も小園とともにU18日本代表に選出。世界レベルを肌で感じながら成長を続けてきた。

 以前、ドラフトを目前に控えた藤原に、これまでの野球人生を振り返ってもらったことがあった。すると、輝かしい実績とは裏腹に藤原の口から何度も飛び出した言葉は「苦労」だった。

「ホントにずっと苦労していた感じで、とくにバッティングはしょっちゅう悩んでいました。小学校の時もお父さんが監督をしていて、よく怒られていましたし……中学の時も僕が1学年上のチームで出始めたところに小園が少し遅れて入ってきた。それでアイツがレギュラーになって、僕は一旦控えになって……しばらくは小園を追いかける感じでした」

 大阪桐蔭でも1年から試合に出ていた藤原だが、決して順風満帆ではなかった。

「1年から試合に使ってもらっていましたけど、高校生の速い球が打てなかった。本当にバッティングのことばかり考えていました」