2019.01.22

巨人・岡本和真に忍び寄る2年目の
ジンクス。克服のカギは左足にあり

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

名コーチ・伊勢孝夫の「ベンチ越しの野球学」連載●第34回

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 昨シーズン、巨人の岡本和真は143試合にフル出場し、打率.309、100打点、33本塁打というすばらしい結果を残し、シーズン途中からは”不動の4番”としてチームを支えた。今シーズンから原辰徳監督が復帰するが、その期待は変わらない。その一方で、「2年目のジンクスに陥るのではないか……」と不安視する声もある。はたして、打者が陥る”2年目のジンクス”の正体とは何なのか。また岡本はそれに打ち勝つことができるのか。かつて多くの一流打者を育て上げた名コーチ・伊勢孝夫氏に聞いた。

昨シーズン、史上最年少で3割、30本塁打、100打点を達成した巨人・岡本和真 初球から積極的に打つのが持ち味の岡本だが、彼の好不調を見分けるポイントは左足にある。もともとオープンスタンスで構えるのだが、好調時は踏み出す左足がスクエアの位置にくるため、無理なくしっかりボールを叩けている。右方向にいい当たりを放っている時は、左足がスクエアの状態になっている時だ。

 逆に調子を落としている時は、左足が構えの位置、つまり開いた状態で打ちにいくため、ボールをしっかり叩けていない。引っかけ気味の内野ゴロが多い時は、まさにこの状態である。

 昨シーズン見事な活躍を見せた岡本だが、たしかにいい時の状態が長かった。体つきもしっかりしてきて、うまく捉えることができれば強振しなくても飛ぶ、というコツのようなものを感じとったように思えた。

 ただひとつ気になったのは、調子が悪い時のフォームのままシーズンを終えたことだ。9月14日のDeNA戦で右手親指付近に死球を受け途中交代した試合があったが、あれから20打席ほどヒットが出なかった。原因は左足だ。やはり死球への恐怖心からだろうか、しっかり踏み込めず、腰が引けていた。

 クライマックス・シリーズに入っても左足はスクエアに踏み出せていなかった。頭のなかではわかっているのに、いざ打席に入ると体が勝手に反応してしまったのだろう。内角球に対する反応は、そう簡単に払拭できるものではない。