2019.01.01

栗山英樹が驚いた大谷翔平の影響力。
「抜けたからこそ勝ちたかった」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sportiva

栗山英樹監督インタビュー(前編)

 2018年シーズンの北海道日本ハムファイターズは、大谷翔平、増井浩俊、大野奨太といった主力が抜け、前評判は決して高くなかった。それでも上沢直之がエースとしてチームを牽引し、若手も躍動。シーズン終盤まで西武、ソフトバンクと優勝争いをしてみせた。惜しくも3位となり、クライマックス・シリーズ(CS)でもファーストシテージでソフトバンクに敗れたが、前評判を覆す堂々たる戦いを見せた。日本ハムの指揮官である栗山英樹監督が2018年シーズンを振り返った。

栗の樹ファームで2018年シーズンを振り返る栗山英樹監督── 監督は冬の間、雪に閉ざされたこの栗の樹ファームのご自宅で、いったいどんな妄想を膨らませているんですか。

「妄想ばっかりだよ。冬の北海道は午後4時を過ぎたら真っ暗だからね。雪って音を吸い取るというか、シーンとしたあの静けさがいいんだよ。ひとりの世界に入り込むにはここは最高の場所だし、時間がある日は『この本、ゆっくり読めるな』って嬉しくなる。だから、部屋中、本棚ばっかりでしょ。それも四書五経の難しい本がいっぱい。今年、易経にハマっていたんだけど、それが難しすぎて……でも、そこには答えが全部、書いてある。野球の答えも、人生の答えも、易経にみんな書いてあるもんね」

── いやはや、監督らしいというか……ひとりで家にこもっていて、普段、食事はどうされているんですか。

「たまに外で美味しいものを食べたいと思うことはあるけど、食事はほとんど自分で作ってるよ。オフはもちろん、シーズン中だって、ナイターが終わって帰ってきてから作っているからね。野菜炒めとか、自分で好みの味に味つけしたいタイプだから(笑)」

── たまに外へ遊びに行きたいとか、思わないんですか。

「遊びに行く? だって、こんな楽しい仕事をしているのに、他の遊びなんて必要ないでしょう。旅行したいとも思わないし……ああ、でも、シーズン中の遠征先で歴史的な場所があると出掛けることはあるかな。去年もシーズン中、山口県の萩に行ったとき、吉田松陰に会いたくて松陰神社には行ったかな。この前も大阪にったとき、京都御所まで行ったりしてね。あの時代、物事はどうやって決められていたのかな、なんてことに思いを巡らせたりして……とくに50代になってからは、そういうことに幸せを感じるんだ」