2018.12.23

いつか「AREA66」の後継者を。
岡田幸文が故郷で目指す次なる夢

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Kyodo News

 今シーズン限りで現役を引退した千葉ロッテマリーンズ岡田幸文(よしふみ)の進路が決まった。

 現所属先であるロッテから、プロ野球独立リーグ「ルートインBCリーグ」の栃木ゴールデンブレーブスにコーチとして来季から派遣されることになった。

 岡田にとって栃木は生まれ故郷であるとともに、作新学院そして全足利クラブとアマチュア時代を過ごした場所である。そんな彼の原点といえる地で、かつての自分と同じような若い選手達を指導していくことになる。そこからどんな選手が育っていくのかとても楽しみだ。 

引退セレモニーでチームメイトから胴上げされる岡田幸文 現役時代は高い捕球能力と守備範囲の広さで、ファンから「AREA66」と称された。

 ロッテの首脳陣だけでなく、味方投手からの信頼も厚く、岡田が守るだけで相手チームはヒットの1、2本は損していたと思えるほど、彼の好守は光っていた。

 201112年には2年連続でゴールデングラブ賞を受賞。同じ外野を守る仲間から助言を求められることも少なくなかったという。

 そんな球界を代表する名手が持つ数多くの技術のなかでも、チームメイトから一目置かれていたのが、捕球から返球までの早さだ。

 諸積兼司二軍外野守備走塁コーチのストップウォッチによると、岡田の外野定位置での捕球からホームまでの到達タイムは、最速で2.8秒。三塁走者が本塁まで駆けるスピードが仮に4秒以内と考えても、悠々アウトとなる。

 だが、岡田には”強肩”というイメージがない。岡田と同時期にプレーしたロッテの選手で強肩と言ったら、サブローだった。

 ではなぜ、岡田はそれほど早くホームへ返球できていたのか。その秘密を聞くと、岡田は次のように語った。 

「まず、ボールを捕るときは(グラブの)ポケットで捕ります。でも、投げるときは土手で握り替える。(グラブのなかで)ポンポンって感じで持ち替えるイメージですね。たぶんそれで球出しが早くなったのかなって思います。もちろん打球を捕らないと投げられないわけですから、その前の足の使い方とか、ほかにも色々ありますよ」

 肩の強さよりも、球出しの早さで勝負する。高い意識で、日々の練習を続けてきた岡田らしい話だと思った。