ヤクルト投手陣の秋は脱スパルタ。
「再現性」をテーマに飛躍を誓う (3ページ目)
さて、この松山キャンプを投手たちはどんな思いで消化したのか。田畑コーチは「チームは変わらないといけないですし、底上げがないと2年後、3年後も見えてこない。そういう意味で、今シーズンは何となくですけど、そのきっかけはつくってくれたのかな」と言った。そこで田畑コーチから名前が挙がった選手に話を聞いてみた。
中尾輝(2年目/54試合/7勝3敗/防御率3.50)
今シーズンは中継ぎとして活躍し、プロ初勝利もマークした。
「去年はひとつのメニューについて考える余裕がなく、やることだけで必死でしたが、今年は意識を持って練習できています。今日のポール間走も2セット目の後半は本当に苦しかったのですが、頭が左右に振れないことやバランスを心がけながら走ることができた。
今シーズンは終盤に疲れて上体だけになってしまい、球がどんどん弱くなって打ち込まれました。そこを課題として、疲れたときこそ下半身を使って強いボールが投げられるように意識して、毎日ブルペンに入っています」
星知弥(2年目/18試合/2勝0敗/防御率4.02)
右ひじの手術によりシーズン途中に復帰。自身初の秋季キャンプ参加となった。
「キャンプがきつい、きつくないは自分次第だと思っています。キャンプでの課題は"考えること"です。ピッチング練習の時に、セットポジション、クイック、けん制をひたすら反復しています。再現性を実現するために、体の強化も並行してやっています。
体が強くなれば同じ動きが自然にできると思うので......。このあと台湾のウインターリーグへ行きますが、もっと体を追い込んで2月のキャンプにはレベルを1つ、2つ上げてアピールしていきたいです」
梅野雄吾(2年目/29試合/3勝2敗/防御率7.09)
今年2月の沖縄・浦添キャンプの時に「目指すはプロ初勝利です。将来的には伝説と呼ばれるピッチャーになりたい」と話していたが、最初の目標は実現した。
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