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ヤクルトに献身する坂口智隆。
バレンティンも「グッチとは通じ合う」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 6月2日現在、打率.337(リーグ3位)、出塁率.428(リーグ1位)。坂口智隆(ヤクルト)がプロ16年目にしてキャリアハイを予感させる活躍を見せている。

 2015年オフにオリックスを自由契約となり、ヤクルトに新天地を求めた坂口は、いまやヤクルトにとって"必要不可欠"な選手となった。

開幕から好調を維持しているヤクルト・坂口智隆開幕から好調を維持しているヤクルト・坂口智隆 今シーズン、坂口はチームの攻撃オプションを広げるために、春季キャンプからファーストの守備に挑戦。連日、特守でユニフォームは泥だらけになった。シーズンが開幕してからも、全体練習前にマシン相手に捕球練習を行ない、時間を見つけてはショートバウンドの捕球に励んでいる。

 さらに、バント練習にも余念がない。通常メニューであるマシン相手のバントをした上で、宮出隆自(りゅうじ)打撃コーチが近距離から投げる"体感150キロ"のバント練習も黙々とこなす。

「ファーストに関しては本当に初心者なんで、少なくともチームに迷惑をかけない程度にやらないといけないんで......。そのために少しでもプラスになればいいと思って、(時間を見つけて)練習しています。バント練習も、僕はバントのない選手ではないですから、当然のことです」

 打順においても、坂口の"献身"は際立っている。開幕してまだ2カ月ほどだが、すでに1番、2番、3番、5番、6番、7番をこなし、与えられた打順できっちりと結果を出す。そんな坂口に対するベンチからの信頼は絶大だ。

「与えられた打順を文句も言わずにこなしてくれる。ユーティリティーの部分で助かっています。そういう意味で、坂口は打線の核ですよね」(石井琢朗打撃コーチ)

「野球に対する真摯な姿勢。勝負に対する熱い気持ち。ユニフォームを着た瞬間から誰もが絶賛するプレーヤーになる。今年から不慣れなファーストを守ることが増えていますが、一生懸命練習している。本当に頭が下がります。若い選手には見習ってほしいですよね」(宮出コーチ)

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