松坂大輔を見て思い出す、プロ野球「記憶に残る復活投手」ランキング (2ページ目)

  • キビタキビオ●文 text by Kibita Kibio
  • photo by Kyodo News

9位 牧田和久(西武、パドレス)

【ケガの内容:右ヒザの前十字靭帯断裂】
【復帰後の主な成績:7年276登板、53勝49敗、54ホールド25セーブ】
【獲得タイトル:2011年・最優秀新人賞】

プロ入りを遅らせたアマチュア時代の大ケガ

 アマチュア時代に負ったケガを克服し、プロ入り後に活躍した"裏カムバック投手"の代表格が牧田だ。

 高校1年時にアンダースローに転向した牧田は、平成国際大学のエースとして活躍し、2年時の日米大学野球選手権では、埼玉で開催した試合での限定出場ながら大学日本代表入りを果たした。卒業後は社会人野球の日本通運に入社したが、2年目の2008年に行なわれたトヨタ自動車との日本選手権の試合中、バッター荒波翔(現・横浜)のバント処理の際に右ヒザを捻って前十字靭帯を断裂してしまう。

 全治1年の大ケガとなり、その年のドラフト指名を考えていた各球団のスカウトも一度は獲得を断念。しかしその後、懸命なリハビリによって2009年後半に復活する。翌年には7回コールドゲーム参考ながらノーヒットノーランを達成するなど、その投球を見た西武が獲得に踏み切ることになった。

 26歳の誕生日を目前にした2010年10月に、牧田はドラフト2位で指名された。するとルーキーイヤーで5勝22セーブを挙げて新人王を獲得したのを皮切りに、先発、中継ぎ、抑えと大車輪の活躍を見せる。WBCにも2大会連続で出場し、諸外国の強打者を翻弄した。

 今年の1月にパドレスと契約し、メジャーに進出したサクセスストーリーを考えると、アマチュア時代の復活は牧田にとって野球人生の大きな分岐点だった。

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