藤浪晋太郎が、コントロール、フォーム、今の心境を語るインタビュー (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 市川光治(光スタジオ)●写真 photo by Ishikawa Mitsuharu(Hikari Studio)

── では、今シーズンを戦うための今の藤浪投手の武器は何ですか。

藤浪 そうですね......酸いも甘いも知って、ここに戻ってきているというところが違うのかなとは思います。もう一回、野球をピュアに考えたい。もっと野球がうまくなりたいというふうに、あらためて思えているところが武器なのかなと思います。

── このオフには初めての海外自主トレを行なったと聞きました。アメリカに行ってダルビッシュ有投手とか、クレイトン・カーショウ投手と一緒にトレーニングをしたとか......この体験は、藤浪投手のどういうところを刺激してくれたと思いますか。

藤浪 もちろん技術の話もしてもらいましたし、コンディショニングとか栄養学とか、精神面から考え方に至るまで、いろんなことを話してもらいました。そういうことはすごく勉強になったんですけど、それ以上に、パッと環境を変えて、アメリカという異国の地に身を置いたことがすごく大きかったと思います。

 2週間だけでしたけど、ストレスのない毎日を過ごして、帰りの飛行機の中で、「よし、頑張ろう」と素直に思えたんです。純粋に野球が好きだった頃、野球が楽しかった頃の、もっとうまくなりたいというピュアな気持ちを取り戻せたというか、なぜあんな小さいことで悩んでいたのかなと......仕事に行き詰まった人が自分探しの旅に行って、「帰ってきました」みたいな、そんな感じです(笑)。

── 藤浪投手は今年、24歳になります。24歳という年齢にはどんなイメージを持っていますか。

藤浪 子どもの頃に見ていた24歳ってすごく大人びた、できた人間だと思っていたんです。でも、いざその歳になってみると、子どもですよね。ホント、くだらない話ばっかりしていますしね(笑)。だから、もっと落ち着いて、俯瞰(ふかん)で物事を見られるようになりたいという気持ちはあります。

 でも、だからといって大人のイヤな部分に染まりたくないという気持ちもあります。どこの社会でもそうだと思いますけど、媚(こび)を売ったり、ゴマをすって自分のポジションを得ようとしたりする大人にはなりたくない。子どもの頃から憧れていた、自分の力で純粋に、ピュアに勝負のできる、そういうプロでありたいと思っています。

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