2018.04.04

名コーチ怒る!「注目ルーキーの敵は、
打撃ケージに群がる評論家だ」

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

名コーチ・伊勢孝夫の「ベンチ越しの野球学」連載●第22回

 プロ野球が開幕したが、注目のルーキー・清宮幸太郎(日本ハム)は二軍スタートとなった。そこでよく声に挙がるのが、ルーキーの育成についてだ。特に高卒ルーキーの場合、「二軍でじっくり鍛えるべき」という意見もあれば、「少しでも早く一軍で慣らすべき」という声もある。

 かつて、ヤクルトや近鉄などで多くの打者を育ててきた伊勢孝夫氏は、「選手によって個人差があるから一概には言えない」と前置きした上で、「スーパールーキーほど育てるのが難しい」と語る。その理由を聞くと、実に意外なものだった。一体、スーパールーキーの育成は何か難しいのか。

(●第21回 打撃に悩む大谷翔平に名コーチが言う。「インコースは捨ててしまえ」>>)

開幕二軍となったロッテのルーキー・安田尚憲だが、今後の成長が楽しみだ 清宮も安田尚憲(ロッテ)も開幕を二軍で迎えた。もちろん、清宮は体調不良による大幅な調整遅れが原因だろうから、技術的な問題をとやかく言うことはできないが、まあ妥当なところだろう。

 2月下旬、名護で清宮の屋外フリー打撃を見たが、まだ多くの課題があった。とはいえ、栗山(英樹)監督は、もし清宮が元気だったら、少々の調整遅れでも一軍に残していただろう。あのスイングの速さ、シャープさがあれば、二軍に置いておく必要はない。少しでも早く、一軍のピッチャーに慣れさせるというのが本筋だろう。

 一方の安田は、オープン戦を含め対外試合で結果が出せなかったから、こちらも開幕二軍は仕方がない。

 ただ清宮と安田では、キャンプから首脳陣の接し方がなんとも対照的だったように思う。

 そもそも清宮は合同自主トレの段階で手を痛めていたが、それでもアリゾナの一軍キャンプに参加させた。帰国後も体調を崩すまでは一軍に帯同し、オープン戦にも出場。その間、さしたる結果も出せていなかったし、気になる修正ポイントも目についた。

 にもかかわらず、日本ハムのコーチ陣は静観していた。彼らだって清宮の修正すべきところはわかっているはずだ。それでも何も言わないのは、おそらく「今はその時期ではない」と判断したのだろう。