阪神ロサリオも当確。韓国経由の助っ人が優良なわけを名コーチが説く

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

名コーチ・伊勢孝夫の「ベンチ越しの野球学」連載●第19回

 キャンプも終盤に入り、各チームとも今シーズンの陣容が徐々に見えてきたが、首脳陣にとって気がかりなことがあるとすれば、新外国人選手の出来だろう。「アタリ」か「ハズレ」か――彼らの活躍はペナントの行方を左右すると言われているだけに、キャンプでの一挙手一投足に注目が集まっている。

 そんな中、いきなり見せてくれたのが阪神の新外国人、ウィリン・ロサリオだ。ドミニカ人でありながら、昨年まで2年間は韓国プロ野球を経験。かつて日本で活躍したタイロン・ウッズやホセ・フェルナンデスも韓国経由で来ただけに、ロサリオにも熱い視線が注がれている。2008年から2シーズン、韓国プロ野球のSKワイバーンズで打撃コーチを務めた経験を持つ伊勢孝夫氏に、韓国を経由して日本にやってくる選手の特徴を聞いた。

(第18回●打者心理でみる「松坂大輔がよみがえる 唯一の方法」>>)

コロラド・ロッキーズ時代の2012年にシーズン28本塁打を放ったロサリオコロラド・ロッキーズ時代の2012年にシーズン28本塁打を放ったロサリオ

 今季の新外国人では阪神に入団したウィリン・ロサリオの評判がいい。残念ながら、彼のバッティングをまだ実際にこの目で見ていないので詳しい論評は次回以降にさせてもらうが、映像で見る限り、手応えを感じるスイングであるのは間違いない。それに韓国プロ野球を経験して日本に来たことにも注目している。

 ロサリオはコロラド・ロッキーズで5年間プレーし、メジャー通算70本塁打。2012年にはシーズン28本塁打を放ったスラッガーだ。その後、2016年から2年間は韓国プロ野球のハンファ・イーグルスに在籍し、2年間で70本塁打、231打点をマーク。この活躍が高く評価されて阪神の獲得につながった。

 外国人選手は「やってみなければわからない」と言われる。実際、来日してすぐは監督やコーチが喜色満面になるほど豪快に打っていた打者が、しばらくすると目を覆いたくなるほど惨(みじ)めな状態になってしまうというケースはいくらでもある。私もコーチ時代、何人の外国人に裏切られてきたことか......(苦笑)。

 ただ技術的なことで言えば、日本で通用するかどうかは明確な判断ポイントがある。それさえクリアしていれば、それなりの成績は残せるだろうし、日本で覚醒する可能性も大いにある。

 そのポイントというのは、おおまかに分けて3つある。

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