お前が打たなきゃ誰かが打つ。カープ黄金期を予感させる圧倒的な選手層 (3ページ目)

  • 大久保泰伸●文 text by Ohkubo Yasunobu
  • photo by Kyodo News

 さらに5月19日からは、ナゴヤドームで最下位に低迷していた中日に3連敗。初戦でジェイ・ジャクソンが中日の主砲、ダヤン・ビシエドにサヨナラ弾を浴び、2戦目は守備陣がミスを連発。

 そして8月22日からのDeNA戦の3連敗は、独走状態にあったチームに冷や水を浴びせられるような内容だった。

 初戦に筒香嘉智、ホセ・ロペス、宮敏郎の3者連続本塁打でサヨナラ負けを喫すと、2戦目は9回二死から中がロペスに同点本塁打を打たれ、延長で中田が打たれてサヨナラ負け。3戦目も同点で迎えた9回裏、二死二塁の場面で倉本寿彦の二遊間へ飛んだ小フライがワンバウンドで処理しようとした菊池の前でイレギュラーする不運なサヨナラ打となり、リーグワーストタイ記録となる3試合連続サヨナラ負け。

 大型連敗につながりかねない同一カード3連敗のあと、大崩れしなかったのが今年の広島の強さと言えるのかもしれない。そしてこの窮地を救ったのが、7割を超えるホームゲームでの驚異的な勝率の高さだ。

 5月の阪神3連敗のあと、神宮でもヤクルトに1勝2敗と負け越したが、地元に戻って巨人、DeNAとの2カードを4勝1敗で乗り切り、立て直しに成功した。横浜での悪夢の3試合連続サヨナラ負けのあとも、マツダスタジアムに帰って中日に連勝し、暗雲が立ち込めかけたⅤロードに再び灯をともした。

 今季、広島は同一カード3連勝が10度あるが、その半分の5カードがホームでのもので、特に中日にはマツダスタジアムで10勝2敗と圧倒した。

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