2017.09.01

巨人待望の打てる捕手、宇佐見真吾は
「スイングで投手を威圧したい」

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 8月25日の巨人阪神戦。巨人の2点ビハインドで迎えた5回裏、無死一塁。打席には2年目の捕手・宇佐見真吾が入った。バントも考えられる場面ではあったが、ベンチからのサインは「打て」。宇佐見が阪神先発・青柳晃洋の内角140キロの球を振り抜くと、打球は雄大な放物線を描き、東京ドームのライトスタンド上段に突き刺さった。

 その豪快な一発を見て、思い出したシーンがある。

8月18日のDeNA戦で放ったプロ1号は劇的なサヨナラ本塁打となった巨人・宇佐見真吾 今から3年前の2014年11月、愛媛県松山市にある坊ちゃんスタジアム。ここで大学日本代表チームの強化合宿が行なわれていた。全国のリーグから推薦された40人あまりの選手が参加し、学生ジャパンのメンバーを選ぶ、いわばセレクションだ。

 スタジアムでは野手によるフリーバッティングが行なわれていたが、なかなか飛ばすヤツが現れない。明治大から高山俊(現・阪神)がいて、早稲田大から茂木栄五郎(現・楽天)がいて、慶應大から谷田成吾(現・JX-ENEOS)も参加しているのに、それでも打球が飛ばない。

 しばらくして、ようやく飛ばすヤツが出てきた。左打席から力強いスイングを繰り返す。インパクトのあとのエネルギーが違う。明らかに遠くへ飛ばそうとしているスイングだ。

 いったい誰だ!? ユニフォームの胸には”城西国際”の文字。名簿を見ると「捕手・宇佐見真吾」とあった。

「行きの羽田空港で飛行機のチケットを配っているとき、一緒にいるのは有名な選手ばかりじゃないですか。早くコイツらのプレーを見たいなと思って。合宿が始まってからも、周りにいるのは一緒にできないと思っていた選手ばかりでしたから……もう嬉しすぎて、自主練習なのにほかの選手ばかり見ていました」