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ハタケで鍛えたハタケ。異色キャラの
巨人・畠世周がプロ初勝利に挑む (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Jiji photo

 そして畠のここまでの成長のなかで、欠かすことのできない人物が父だ。以前、畠にバランスのいいピッチングフォームについて話題を向けたときのこと。「子どもの頃、父に『体を強くするなら農業がいちばん』と言われて、それで手伝っていました」と思い出を語ってくれた。

「父は野球をやっていなかったのですが、身長は180センチ以上で、たしか背筋は200キロを超えていて、握力も70キロ以上とか。自分の体を使って自然に鍛えられる畑仕事や農作業がいいと、よく言っていました」

 畑も子どもの頃から腰に巻きつけたロープに丸太をつけて畑を耕したり、ぬかるんだ田んぼのなかを歩いたり......。農作業のなかで知らず知らずのうちに、体が鍛えられていった。

「泥んこの田んぼを歩くときって、普通に足を上げてもうまく抜けないんです。少し外から回すように足を上げていかないとダメなんです。今になって思えば、股関節のトレーニングになっていたのかなと思ったりしますよね。それが今のピッチングにもつながっているのかもしれないですね」

 さらに農業の話をしていると、畠は「豊臣秀吉が刀狩をしたのも、農民は力があるから怖かったんでしょう」と言って、思わぬところに話が広がった。ドラフト候補選手の取材で"豊臣秀吉""刀狩"というワードが登場したのは、もちろん初めてだった。

 このほかにも、子どもの頃からクラシックを聴いていたという話や、アニメ『名探偵コナン』好きであること、趣味が釣りということなど、野球以外のことでこれほどたくさん話した選手は畠だけ。ちなみに、"世周"という名前は、「世の中が自分にとってプラスに回るように」という意味を込めて名付けられたという。

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