桑原、糸原ほか、金本タイガースを支える「想定外」のプレーヤーたち (2ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • photo by Kyodo News

──では、藪さんの「想定以上」の活躍をしているピッチャーは誰ですか。

 やっぱり、セットアッパーの桑原謙太朗でしょうね。首脳陣が采配に迷ったところを彼が救ってくれています。たとえば、ランナーを残してピッチャーが降板する場面。先発投手からすると、「傷が浅いうちに代えてほしかった」となるものです。私が現役のころは、よくそう思いました。でも、今季はそんな難しい場面で桑原が出てきて、ピシッと抑えています。

──結果的に先発投手の心理的な負担を軽くしているわけですね。そんな桑原投手は昨シーズン、一軍での登板はありませんでしたが......。

 力自体はあったのですが、なかなかチャンスに恵まれませんでした。今年は交流戦終了までに、31試合で投げて3勝1敗16ホールド、防御率は0.91。もともとボールに力のあるピッチャーですが、勝ちパターンの6回、7回に出てきて、本当にいい仕事をしています。少しだけ曲がるカットボールに相手バッターは手を焼いています。

 プロ10年目で今年32歳になるピッチャーですが、いまは投げるのが楽しくて仕方がないという感じでしょう。本人も「いけるところまでいこう!」と思っているはず。経験が多くない分、怖いもの知らずで、最後まで攻め続けることができるかもしれません。30イニング近く投げて37三振を奪っていますから、1イニングにひとつ以上三振を取っている計算になります。立派なものですね。

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