愛媛からNPBへ。元巨人ドラ1・河原純一監督が伝える「プロ意識」 (3ページ目)

  • 寺下友徳●取材・文・撮影 text & Photo by Terashita Tomonori

 大学時代に「練習で自分の身体を無駄なく使い、駆使する投球を学んできた」ベースが、「納得のいくボールはまったくなかった」という1999年以降も、2002年の日本シリーズ胴上げ投手や、1年の浪人生活を経た2009年の、中日での中継ぎ復活を果たすことににつながった。

2月の自主トレで投手陣に話をした河原監督2月の自主トレで投手陣に話をした河原監督 そんな経験から、河原純一監督がチームに求めているものは明確だ。それは、「NPBで活躍するために必要な基礎を習得する」こと。練習場を見渡すと、小技・守備を武器に近鉄バファローズなどで活躍した武藤孝司コーチがバントを丁寧に教えれば、オリックス・ブルーウェーブで野手から投手への転向を経験した萩原淳コーチは、リードオフから走塁の意識を指導する。

 そして、投手コーチを兼任する河原の手にはストップウォッチとノックバット。合同自主トレ初日から、投手陣のメニュー表では「W-UP(ウォーミングアップ)」という名のランニングが重視され、フィールディング練習も長めに取られている。

 4月1日の開幕戦で先発投手を務めた3年目の阿部直晃(25歳)は、「こんなに走ったのは野球人生ではじめてです」と話す。指揮官の「前期までは鍛えます」という意志は、確実に練習に反映されているようだ。

「選手たちに時間はないんですよ。23~24歳になるとチャンスは少なくなってきますから」

 年齢を重ねれば重ねるほど、NPBへの門戸が狭まる独立リーグの世界。河原自身も2013年から3年間、愛媛でNPB復帰を目指したからこそ、現実は十分に理解している。

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