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「小久保采配を絶賛!」まさかの織田信長、
WBC1次ラウンド観戦記 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

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「小久保監督はワシである。従って、このWBCは100パーセント優勝する」

 いきなり冒頭から、意味不明な発言をする信長氏。根拠を聞くと、氏は不敵に微笑んだ。

「若き日には"うつけ"と呼ばれながら、天下統一を目前にしたのがこのワシである。無能だ、無策だと采配を批判されながら1次ラウンドを勝ち進む小久保監督には、かつての自分を被らせてしまうわい。実に素晴らしい監督だ。強化試合などしょせんはテストの場。本大会での采配は冴えておる」

 怪しげな三段論法を用いて暗に自身を賛美する信長氏。ハイカラ好きな自己顕示欲がピリピリ伝わってくる。

「そもそも緒戦のキューバ戦、あのカードこそが小久保監督の『桶狭間の戦い』じゃ」

 自身の覇業へのデビュー戦となった戦(いくさ)に、WBCキューバ戦をなぞらえる信長氏。あくまで自分を立てることは忘れない。ここが織田信長の織田信長たるゆえんだろうか。

 氏の話の続きを聞く前に、ここでキューバ戦を振り返っておきたいと思う。日本は1−1の同点で迎えた4回、山田哲人のタイムリーで1点を勝ち越すと、5回に怒濤の攻めを見せて一挙5得点。7−1とキューバを引き離す。キューバも終盤に粘りを見せるが、侍ジャパンが突き放し、終わってみれば11−6。5点差をつけて勝利した。

「キューバと日本にとっての『長篠の戦い』は、やはり5回じゃろうな」

 信長氏は言う。長篠の戦いとは「ここで勝ち負けがハッキリ分かれた」という比喩表現だと思われる。

「坂本勇人、松田宣浩、菊池涼介のタイムリー3発は特に効いたじゃろう。まさに、ワシが考案した火縄銃三段撃ちに通じるものがある。あのときの武田は総崩れでのう......」

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