鉄人・室伏の教えを胸にオリックス吉田正尚が究める「超人スイング」 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

「体の使い方を極めていけば、もっとすごいパワーが出るイメージは持っています。だから、まだまだ自分の力を引き出したい。自分で考えられることはやりながらも、誰かの手を借りることでもっともっと力を引き出したいんです」

 そして吉田が、室伏氏との会話のなかで強く印象に残ったのが、「感覚を磨け」という言葉だった。

「昨日の自分をわかっておかないとダメだと言われました。投てきでも、昨日の自分と比べてどうなのか。そこがわかって、『じゃあ、何をすべきか』ということが見えてくる、と。バッティングも同じ。意識と実際の間にズレが生じることでミスショットにつながる。イメージ通りに体を使い切ることが究極の目的で、そのために練習を重ねて、感性を磨かないといけない。ゴールはないので、一喜一憂することなく積み重ねていくしかない」

 吉田の"強いスイング"の原点は、子どもの頃にBS中継で見ていたメジャーリーガーだ。なかでも、夜に放送されるMLBのダイジェスト版を見るのが日課だった。ちなみに、日本のプロ野球で興味があった選手は、ヤクルトや巨人などで活躍したロベルト・ペタジーニ。そして今、憧れている選手はワシントン・ナショナルズの強打者、ブライス・ハーパーだ。

 年齢を重ねるごとに体の使い方への関心が高まり、いかに持っているパワーを無駄なく最大限出し切るかを考えながら、バッティングをつくり上げてきた。

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