仲良しは大竹さん。謎の「巨人」ルーキー、リャオ・レンレイの素顔 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

「腕が上から出たり、横から出たり、ボールがどこに来るか予測がつかないんです。それでコントロールが良ければセールスポイントになるんでしょうが、実際は本人がまだリリース感覚をつかめていないのだと思います。ただ、根本的な球の力はあるし、投げ方はダイナミックだし、魅力を挙げようとすればいくらでも出てきますよ」

 これだけの巨体、これだけの馬力を持っていれば、周囲は自然と一軍での早い活躍を期待してしまうもの。ブルペン投球を終えた廖はテレビカメラに囲まれ、一軍昇格への思いを聞かれた。すると廖は表情を変えずに、淡々とこう答えている。

「アピールしたい気持ちは強いですけど、自分のなかで課題をひとつひとつクリアしていきたいです。まず決まったことをしっかりやっていきたい。そうすれば首脳陣にも認められると思います」

 本人も自身に課題が多いことは認識しており、また周囲の過度な期待に踊らされないクレバーさも感じさせた。多少時間はかかるかもしれないが、いずれ一軍で廖の剛腕が見られる日はやってくる。そう予感させるものがあった。

 そしてもうひとつ、廖の練習を追っていると、大竹とにこやかに会話をしているシーンを何度も目撃した。台湾からやってきたドラフト7位ルーキーとプロ16年目のベテラン。奇妙な組み合わせにも見えるが、大竹に聞くと意外なことを教えてくれた。

「1月にジャイアンツ球場で自主トレをしたんですけど、キャッチボールの相手がいなかったんです。ちょうどそのときに廖が新人合同自主トレで来ていて、僕に『キャッチボールしましょう』と言ってくれた。そのときからの流れで今に至るまで、一緒にキャッチボールをしています」

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