大谷翔平ロングインタビュー。届かなかったWBC、無念の思いを激白 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sportiva

── 1月20日にブルペンに入って、キャッチャーを立たせたまま、22球を投げました。ブルペンに入ってみたということは、そのときの感触はまだよかったんですか。

「いやぁ、どうですかね。そんなによくはなかったですよね。足の状態もよくなかったですし......」

── 結局、その日を最後にブルペンに入ることはできませんでした。

「そうですね。これはまだしばらくは投げられないんじゃないかなと......そうすると、とても3月7日に投げられる状態にまでは持っていけないんじゃないかと思いました」

── それでも、侍ジャパンに伝えたのは、WBCへの出場辞退ではなく、あくまでピッチャーとしては投げられないということでした。バッターとしては出られる可能性を感じていたんですか。

「バッティングでは痛みはそんなに出ませんし、気になるほどではありません。ですからバッターとしてはできるんですけど、なんせ走れない。もともと走ることでケガをしたので、走る強度をどのくらいまで上げられるかというところだと思っていました。ただ、こればっかりは、投げられないから、じゃあバッターで、という簡単な話じゃないと思うんです。そもそもぼくはピッチャーとして選んでもらってましたし、バッターとしては起用されるかどうかもわからない。ピッチャーとして、ということが大前提で、バッターとして出る、出ないということはぼくだけでは判断できないところもありました。ですから、ピッチャーとしてはできないということを決断して、それを伝えてもらったんです」(その後、小久保裕紀監督は大谷選手の状態を気遣って、メンバーから外すと明言)

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