あっ、デューシーだ。フロリダで「日本野球」を伝える元助っ人たち

  • 阿佐智●文・写真 text & photo Asa Satoshi

 フロリダには3つの野球がある。

 ひとつは、言わずと知れたメジャーリーグ。マイアミに行けば、イチローのおかげで日本でもすっかりおなじみになったマーリンズを観ることができるし、その北西400キロのセントピーターズバーグに行けば、かつて野茂英雄、松井秀喜、岩村明憲が在籍したタンパベイ・レイズの本拠地がある。

かつて日本ハムでプレーしたロブ・デューシーかつて日本ハムでプレーしたロブ・デューシー この両都市に挟まれた州南部は、メジャー15球団のスプリングトレーニング施設が点在しており、年に一度、春には各球団のメジャーからマイナー最下層までの選手が一堂に会し、メインスタンドとその周辺に何面も広がるサブグラウンドで連日オープン戦をこなすのだ。

 ここで各カテゴリーに振り分けられた選手は、4月になると全米各地に散っていくのだが、このキャンプ施設を有効活用すべく、マイナーのリーグ戦も引き続き行なわれている。実戦よりも課題克服のためのトレーニングが必要とみなされたプロとして未熟な選手は、引き続きここでキャンプを行ない、ドラフトで指名された選手が加わる夏になると、サブグラウンドでルーキークラスのリーグ戦が始まる。これが「ガルフコーストリーグ」だ。

 また、キャンプ期間中にメジャーが使用していたメイン球場を使って行なうのが、4月から始まる「フロリダステートリーグ」。こちらはシングルA級にカテゴライズされる。シングルA級はさらに4段階に分けられるのだが、このリーグは最上級のアドバンスA級に属している。メジャー予備軍が集まる2Aのすぐ下ということで選手のポテンシャルは高く、試合も見応え十分である。

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