松井秀喜が「青空教室」でジャイアンツに授けた世界王者の打撃論 (3ページ目)

  • 深海正●文 text by Fukami Tadashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 13日には視察に訪れた長嶋茂雄終身名誉監督とも対面し、高橋監督を含めた豪華なスリーショットが実現。その夜には、選手宿舎で三軍を含めた全選手、コーチも含めたスタッフの前で約40分間の講義を行なった。「日々の小さなことをどう積み上げていくか」、「変わる勇気を持たないといけない」、「楽な方にいかないよう、気にしていたつもり」など、一流選手へと上り詰める要因となった精神面でのアドバイスを送った。

 選手が助言を求めに来れば、親身になってじっくりと話し込む。ヤンキースでも巡回コーチを務めるなど、すっかり指導者としての姿も板についてきた。指導することの楽しみも感じてきたのではないか、という問いに「それはない」と否定し、こう続けた。

「選手が結果を出してくれて、初めてうれしいと思えるのではないかな。試合で打ってくれることが目的。その手助けになれば」

 長年、巨人軍の4番を背負い、チームの顔として打線を引っ張ってきた。OBとして願うことはただひとつ。「勝利をつかむ巨人であってほしい」ということだ。約2週間の短い間だったが、打線復活への種はしっかり蒔かれた。はたして、どんな結果が出るのだろうか。松井氏も楽しみにしている。

プロ野球 記事一覧>


3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る