待望の生え抜き4番へ。巨人・岡本和真が秘めるポテンシャル (4ページ目)

  • 深海正●文 text by Fukami Tadashi
  • photo by Kyodo News

 巨人の三塁手といえば、長嶋茂雄、原辰徳の名前が挙がる。原前監督はドラフトで岡本を指名後に「将来、ジャイアンツを背負って立つだけの、魅力のある可能性を秘めた選手。打撃も守備もスケールが大きい。大型三塁手として育てていく」と言い、自身と長嶋氏の後継者候補として期待した。背負った背番号も長嶋氏の3と、原氏の8を合わせた「38」となった。

 現役として一緒に戦った高橋由伸新監督は、高卒1年目とは思えない雰囲気、対応力、長打力に高い評価を与えている。巨人で生え抜きの一流選手へと登っていくレールは敷かれ、周囲の評価から、それに応えられるポテンシャルを備えていることは間違いないだろう。

 開幕スタメン、レギュラー定着、まだ資格を有している新人王獲得……。開幕に向け、期待は高まる一方だが、本人がその声に惑わされる様子は一切ない。リップサービスもなく、淡々と、自らの立ち位置を冷静に見据えて、言葉を並べた。

「自分のやれることをしっかりやりたい。打席に多く立って、経験することが大事。自分自身、レベルアップしていきたい。1打席でも多く立てるようにしたい。まず、一軍に上がって、プレーすることが目標です」

 この落ち着き払った、何事にも動じない、ふてぶてしくさえも映る言動も、プロ向きだ。これからどんな成長曲線を描いていくのかはわからないが、そう遠くない日に、巨人の4番を任されている姿は想像できる。

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