2016.01.04

待望の生え抜き4番へ。巨人・岡本和真が秘めるポテンシャル

  • 深海正●文 text by Fukami Tadashi
  • photo by Kyodo News

 広島では前田智徳や江藤智、巨人でも松井秀喜や高橋由伸といった数多くの強打者育成に手腕を発揮してきた名伯楽の内田順三コーチが思わずうなった。

「携わってきた高校生(からプロ入りした選手)ではトップクラス。スイングのバランス、始動、間(ま)の持っていき方、ボールに力を伝える状況。久しぶりにいい雰囲気を持っている(選手)。(見ていて)笑顔になるような、いいバランスを持っている」

昨年9月5日のDeNA戦でプロ初本塁打を放った岡本和真

 昨年の1月12日。巨人の新人合同自主トレーニングが行なわれているジャイアンツ球場で、初めてドラフト1位ルーキーの岡本和真のマシン打撃を見て抱いた率直な感想だった。

 コーチ歴30年を超える名指導者が絶賛するほどの素質を持った原石は、1年目から壁にぶつかりながらも、着実に成長の足跡を見せた。「できる人は(高卒であっても)そう時間はかからない」との原辰徳前監督の予言通りに、シーズン後半には一軍に上がり、先発出場を続けた。プロ初本塁打もマークした。18歳の1年目としては、上々のシーズンのように映るが、本人に満足感はない。

「いい経験をした」と認めるが、自信をつかんだかという問いには「それはないです。もっと練習して、結果を出していかないといけない」と語る。その言葉の裏には「ファームで、正直、もっとホームランを打てると思っていた。まったくダメでした」との思いがある。二軍戦では通算で69試合に出場し、打率2割5分8厘で本塁打はわずか1本に終わった。