石井一久氏に問う。「ヤクルトがソフトバンクを打ち負かす方法」 (3ページ目)

  • 島村誠也●取材・文text by Shimamura Seiya  山本雷太●写真 photo by Yamamoto Raita

――さて、来シーズンですが、セではヤクルトは常勝球団となれるのか。パはソフトバンクを打ち負かすチームが現れるでしょうか。

「ヤクルトに関しては、投手陣が安定しなければ黄金期は作れないですね。ここ数年、勝ちきれなかったのは投手陣に問題があったので。野手に関しては、いくつか弱いポジションはありますが、安定感ある若い選手が増えましたよね。ただ、現状の投手陣を考えると厳しい。とはいえ、エースにはエースの担い方があるように、5番手なら5番手の役割を果たせばいい。野手も7番なら7番、8番なら8番打者としての一流が育てばいい。それぞれの個性がしっかりできたときに、安定感のある強いチームになるんだと思っています。

 ソフトバンクはそういう意味で、レギュラー陣の質が高いですよね。だから安定した強さがある。投手陣を見ても、先発からセットアップ、クローザーといった勝ちゲームに出てくる投手に加え、敗戦処理の“モップマン”もしっかりしている。日本はメジャーのように、大型補強で劇的に強くなるチーム作りではありません。基本的に戦力補強は、新人と外国人です。逆に抜ける選手も少ない。毎年毎年の積み重ねで、ドラフトと選手育成で5年くらいをかけて黄金期を作っていく。そういう意味で、ソフトバンクが強いのはそこができているからですよね。その辺は巨人がなかなかできてない部分でもあります。ドラフトで即戦力は取れているけど、3年後くらいに出る野手とかを育てられない。それを考えると、来季もソフトバンクに勝つのは大変なことだと思いますね」

――最後ですが、日本とメジャーでプレーした日本人選手が、監督になった例はまだありません。石井さんは監督をやってみたいという思いは?

「僕ですか(笑)。やってみたい気持ちはありますよ。管理職みたいな立場でなく、チームを活性化できる立場をもらえるならやってみたい。でも、犠牲にする時間も多いですし、ガムシャラになってまでという気持ちはないです。その時の感覚ですね。今はやりたくないですね(笑)」

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