ヤクルト優位は動かず。巨人逆転の秘策は「攻撃的継投策」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ちなみに、菅野と並ぶ巨人3本柱のマイコラス、ポレダの両外国人のヤクルト戦の成績はこうなっている。

マイコラス/3試合3勝0敗、防御率1.71
ポレダ/5試合1勝2敗、防御率2.67

 そして野口氏は、「ファーストステージで3戦目までもつれたことで、さらにヤクルトが有利になった」と言う。

「巨人としては、ファイナルステージの初戦をポレダでいきたかったはずですから。これで3本柱の初戦起用が困難になりました。大竹寛でいくのか、それともシーズン最終戦でいいピッチングをした内海哲也でいくのか。個人的には、経験のある内海がいいと思うのですが......。いずれにしても、厳しい戦いになるでしょうね」

 では、巨人がヤクルト相手に勝つには、どんな戦いをすべきか。与田氏は次のように語る。

「3点以内の勝負ができるかどうかがポイントになると思います。そのためには、攻撃的かつ早めの継投ができるかどうか。キーマンは高木勇人です。おそらく今回、彼はロングリリーフとして起用されるでしょう。たとえば、先発が2点取られたら高木につなぐ展開になると思います。そこで点を与えず、チームに勢いをつける投球ができるのか。巨人に勝機があるとすれば、小刻みな継投でつなぐしかないと思います」

 野口氏も次のように指摘する。

「ヤクルトに不安があるとすれば先発投手陣です。特に、短期決戦では相手を圧倒的に抑え込めるパワーピッチャーが欲しいのですが、ヤクルトは館山昌平ぐらいしかいません。石川はかわしていくタイプなので、はまった時はすごいピッチングをしますが、逆にメッタ打ちを食らうケースも考えられます。石川は第1戦の先発の可能性が高く、ここで巨人打線に勢いをつけることだけは避けたいところでしょうね」

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