パ・リーグを独走! ソフトバンク工藤監督流「采配の妙」に迫る
工藤公康監督就任1年目の今季、ソフトバンクは2位の日本ハムに10ゲーム以上の差をつけ、パ・リーグを独走した。優勝を目前に控えた今、あらためて"工藤野球"とは何だったのかを検証したい。ホークスOBでもある解説者の本間満氏に話を聞いた。
2年連続日本一を達成できるか、これからの采配に注目が集まる工藤公康監督
これまでのホークスというのは、王貞治監督(現・会長)の時代からレギュラーはある程度固定され、その選手たちでシーズンを戦うという野球でした。当然、レギュラーが固定されると安定した戦いができますし、それがホークスの強さでもありました。
しかし工藤監督は、中心メンバーは固定しつつも、状態のいい選手を積極的に起用し、その選手たちもしっかりと期待に応える活躍を見せてくれました。選手側にしてみれば、試合に使ってもらえることでモチベーションが上がりますし、自ずと競争意識が芽生え、それが選手層の厚さへとつながっていったのだと思います。
今シーズン、これまでチームの主力で2013年に首位打者を獲得した長谷川勇也はほとんど試合に出ていません。そんな実績のある選手がいなかったのにもかかわらず、まったく戦力ダウンを感じさせなかった。これまでホークスは選手層が厚いと言われてきましたが、今年ほどそれを感じたシーズンはありませんでした。
打線に目を向けると、今シーズンは3番・柳田悠岐、4番・内川聖一、5番・李大浩(イ・デホ)、6番・松田宣浩の4人はほぼ固定して戦いました。その中で注目したいのが、柳田を3番に置いたことです。足のある柳田が3番に入ることで、併殺打が減ります。ランナーが残ったところで内川がつなぎ、続く李大浩が還す。今年はそんな場面を何度も見ました。
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