解説者7人が見た交流戦「なぜセ・リーグはここまで弱いのか」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 牛島寿人●写真 photo by Ushijima Hisato

本間満(元ソフトバンク)

「今年の交流戦もセ・リーグが苦労すると思っていたのですが、その通りの結果になってしまいました。これまでもそうですが、交流戦を見て感じることは、先発、中継ぎ、抑えと、すべてにおいてパ・リーグの方が質のいいピッチャーを揃えているということです。キレ、コントロールというより、ボールの勢いが全然違う。単純にストライクゾーンで勝負できるピッチャーがパ・リーグは多いということです」

大塚光二(元西武、昨年まで日本ハム守備・走塁コーチ)

「このままでは侍ジャパンのほとんどがパ・リーグの選手になってしまう。そんなことさえ考えてしまう交流戦でした。チーム力、戦術というより、個人の力量の差でしょうね。特に試合終盤の拮抗した展開になると、一発で決まるケースが多いのですが、パ・リーグはホームランを打てる打者が1番から9番まで揃っている。こうした野球はパ・リーグの伝統としてあるのは確かですが、スカウティング、育成がしっかりしていないとできません。個人的な意見を言わせてもらうと、この部分でセ・リーグは遅れをとっているような気がします。たとえば、日本ハムの中田翔にしても、栗山英樹監督はどんなに不振でも4番を彼に任せた。中田のようなスラッガーを育てるのは、多くの時間を要しますし、使いものにならないケースだってある。それを覚悟の上で日本ハムは根気強く育て上げた。体力や技術はもちろん 、“粘り強さ”という部分でもパ・リーグの方が一枚上だということです」

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