解説者7人が見た交流戦「なぜセ・リーグはここまで弱いのか」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 牛島寿人●写真 photo by Ushijima Hisato

野口寿浩(元ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜)

「ここまでパ・リーグの上位独占が続くと、やはりセ・リーグのレベルが劣っていると思われても仕方ないですね。僕が現役の時、パ・リーグの選手は『セ・リーグだけには負けてたまるか』といった気概を持った選手が多かったのですが、そういう姿勢はまだ続いているのでしょうね。ひとつひとつのプレイに気迫と迫力が感じられます。逆にセ・リーグの選手は良くも悪くも受けて立つというか、横綱相撲をしたがる傾向にあります。ここまで負けているのだから、まずはそうした意識改革が必要でしょうね」

藪恵壹(元阪神、アスレチックス、楽天ほか)

「パワー、スピード、テクニックと、すべてにおいてパ・リーグが圧倒していましたね。特にDH制のあるパ・リーグ本拠地のゲームではそれが顕著に出ていたと思います。セ・リーグがDH制のある野球に慣れていないといっても、交流戦は今年で11年目を迎えるわけですから。打者を育ててこなかったと言われても、言い訳できないと思います。

パ・リーグの打者が強く振ることを第一に考えているのに対し、セ・リーグの打者はテクニックに走りすぎているというか、きれいに打ちたがろうとしすぎる。投手心理として、うまく合わせてくる打者は別に怖くないんです。それよりもミートする確率が下がっても思い切り振ってくる打者の方がはるかに怖い。今回の交流戦を見ていても、セ・リーグの投手は明らかにパ・リーグの打者を怖がっていましたよね。厳しいところを突こうとしすぎてカウントを悪くして、ストライクを取りにいったところを痛打されるというケースを何回も見ました。いずれにしても、力勝負できる選手がセ・リーグには少ない。巧さよりも強さを鍛えるべきでしょうね」

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