黒田博樹の覚悟「野球人生がいつ終わっても、悔いはない」 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 梅田雄一●写真 photo by Umeda Yuichi

黒田 今の僕にはそこまでの余裕がないというのが正直なところです。ただ、マウンドに上がれば周りの目もありますし、自分なりにしっかりしないといけないなと思います。チームのことを考えれば、今はマエケン(前田健太)もいますし、いいピッチャーはたくさんいる。僕が引っ張っていくというよりも彼らが引っ張っていったほうが、チームにとってはうまく回るんじゃないかなと、僕は思っています。

桑田 今、マエケンの名前が出ましたが、これまで彼がカープのエースとしてやってきて、今シーズンもそういう役割が期待されています。黒田くんにとってのマエケンは、何かを伝えるべき相手なのか、それともライバルとして競っていく存在なのか、どちらですか。

黒田 僕自身はそこまで深く考えていないんですけど......でも、競っていく相手というよりはチームメイトですし、手助けできることはしてあげたいという感じですかね。マエケンはこれまで、いろいろとひとりで背負ってきた部分もあると思うので、そういう部分で何かサポート的なことができればいいかなと思います。それが結局はチームのためになると思いますけどね。

桑田 ところで、僕と投げ合った試合、覚えてますか。

黒田 はい、覚えています。最後は(広島)市民球場でしたよね。

桑田 すみません、僕は覚えてないんですけど(苦笑)、今から9年前の2006年4月27日だそうです。僕は3回途中でKOされて、黒田くんは被安打3の完封。カープが7-0でリードしていたのに、9回のマウンドへ向かったと。

黒田 あの当時は先発したい、完投したいと常に思っていましたし、当時はそういう野球でしたからね。

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