広島、24年ぶりVに現実味。黒田は黒田のままで帰ってきた (3ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • photo by AFLO

 帰国すれば、黒田フィーバーが続くだろう。しかし、球団は「黒田を守れ」とばかりに厳戒態勢をとる構えだ。合流予定の沖縄キャンプでは、昨季まで広報を務めていた比嘉寿光を一時的に「専属広報」として配置。ひとりの選手にマンツーマンでサポートすることは広島では異例だが、「異例な選手が来るわけだから」と鈴木清明本部長も笑みを浮かべる。

 すでに広島の注目度は高く、黒田復帰で24年ぶりの優勝を確信する者まで出てきている。しかし、周囲の過度な期待にも踊らされない。

「本人は相当なプレッシャーを感じているはず。余計な負担をかけずにいかに投げることに集中させるかが我々の大事な役割だと思っている」

 松田元球団オーナーは黒田への全面バックアップを約束。24年ぶりの優勝へ、球団も本気だ。

「野球人として、たくさんの時間を熟考に費やしました。悩み抜いた末、野球人生の最後の決断として、プロ野球人生をスタートさせたカープで、もう一度プレイさせていただくことを決めました。今後も、また日々新たなチャレンジをしていきたい」

 黒田は2月中旬に帰国し、二次キャンプの沖縄からチームに合流する。新シーズンへ向けて動き出す広島の輪の中に、8年ぶりの背番号15。広島に黒田博樹が帰ってくる。

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