2015.01.14

チーム解体で見えた原監督が描く「常勝の未来図」

  • 高松正人●文 text by Takamatsu Masato
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

  昨季、リーグ3連覇を達成するも、クライマックス・シリーズで阪神に敗れ日本シリーズ進出を逃した巨人。2015年シーズン、原辰徳監督はゼロからのスタートを強調する意味で、チームを解体する方針を打ち出した。解体といっても、すべてのポジションを白紙にするのではない。昨年までリーグ3連覇の中心にいた主力選手に頼らないチーム作りを進めていくという。

 その一環が、これまで扇の要としてチームを支えてきた阿部慎之助の一塁コンバートと、澤村拓一をリリーフへ、西村健太朗を先発にするという配置転換だ。

今シーズン、捕手から一塁へコンバートされることが決まった阿部慎之助

 2012年のシーズン前のこと。前年3位で終えた原監督は阿部、新加入の村田修一、長野久義、坂本勇人の4人の打者の名前を挙げ、「彼らに打線を引っ張っていってもらう。4番は阿部慎之助」と責任を背負わせた。その方が力を発揮するだろうと考えたからだ。

 その読み通り、阿部は打点王、坂本、長野は最多安打のタイトル、村田はベストナインに輝く活躍を見せ、リーグ優勝、日本一を達成し、アジアシリーズ制覇も果たした。一方の投手陣も内海哲也が最多勝、杉内俊哉は最多奪三振のタイトルを獲得。投打の主軸が力を発揮したシーズンだった。そこから巨人は彼らを中心にリーグ3連覇を達成し、黄金期を築いたのだった。

 だが原監督は、「今年はこれまでチームの中心を担った選手たちに頼らないチーム作りをする」と明言したのだった。

 まずは阿部。これまで主将、4番、捕手という重責を背負わせていたが、昨年はたび重なる首痛の影響で打撃不振となり、体の不安が少ない一塁でプレイしたことがあった。その結果、バッテリーミーティングなどに時間を使われることなく、自分の練習に時間を割くことができた。その後、体調も打撃も回復したことが、今回の一塁コンバートの大きな要因となった。

 もちろん、阿部の体のことを考えてのコンバートだが、2年目の小林誠司を筆頭にこれまで巨人に久しくなかった正捕手のレギュラー争いをさせるのが狙いだ。また4番も、阿部や村田に頼るのではなく、7年目の大田泰示に任せたいと原監督は願っている。「4番は右打者が理想」の考えを持ち、「新たな4番の成長に期待したい」と言う。大田は、入団して6年間はこれといった成績を残せていないが、昨年、ボールやコースを考えてバットを出していく姿が、指揮官の目には「大きな変化」に映った。まだ構想の段階ではあるが、大田が新しい4番に座る可能性もある。