いよいよ開幕。日本シリーズは今年もベイスターズ祭り!?
いよいよ福岡ソフトバンクホークスと阪神タイガースの日本シリーズが開幕する。2003年以来となる両チームの戦いを心待ちにしているファンも多いと思うのだが、実は横浜DeNAベイスターズファンにとっても今回の日本シリーズは目が離せないのである。ほとんどの方が「なんで?」と思うであろうが、昨年の藤田一也、斎藤隆、福山博之(すべて楽天)、村田修一、石井義人(ともに巨人)に引き続き、今年も4人の元ベイスターズの選手たちが最高峰の舞台に立つからである。
CSファイナルステージでMVPを獲得した吉村裕基
なかでも注目は、パ・リーグのクライマックス・シリーズ(CS)ファイナルステージのMVPに輝いたソフトバンクの吉村裕基だ。日本ハムとのCSファイナル第1戦で1点ビハインドの9回一死二、三塁でセンター越えのサヨナラ安打を放つと、第4戦では決勝となるタイムリー。さらに、第5戦でも大谷翔平から先制の2点タイムリーを放つなど、CSで5安打6打点の活躍を見せた。
ベイスターズ時代の吉村は、2003年のルーキーイヤーから一軍を経験し、2008年には故障した村田に代わって4番に座り、34本塁打(リーグ5位)、91打点(リーグ6位)と活躍。将来を嘱望される存在として大きな期待を集めた。しかし、その後は打撃不振に陥(おちい)り、思うような活躍ができないまま2012年にトレードでソフトバンクへ移籍。
そこで出会ったのが秋山幸二監督だった。秋山監督は吉村の長打力を高く評価し、マンツーマン指導するなど、徹底的に鍛え上げた。吉村は言う。
「監督に教えていただいて、いろんな発見がありました。最初の頃は、監督が言われているレベルに自分が追いつかないこともありましたが、今は少しずつ理解できるようになりました」
移籍2年目の今シーズンは、出場64試合ながら持ち前の勝負強さを発揮し、打率.296をマーク。ケガで先発出場できなくなった長谷川勇也の穴を見事に埋めた。
「この時期に野球ができることが嬉しい」と話していた吉村は、CSの第1戦でサヨナラヒットを放ったあと、次のように語った。
「最高に気持ち良かった。僕はホークスに来て2年目ですけど、(秋山監督は)強いホークスを作られた方なので、そこの仲間に入れてもらって、野球ができることに感謝しています」
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