2014.10.17

22歳の挑戦。山田哲人、シーズン193安打の舞台裏

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 9月25日、神宮球場。ヤクルトの早出練習はこの日も変わらずに行なわれており、山田哲人はティーバッティングの順番待ちをしていた。先にティーバッティングをしていた飯原誉士が「(最多安打のライバル大島洋平がいる)中日はあと5試合だっけ? ウチの方が残り試合多いから大丈夫だよ」と、山田に話しかけた。

日本人右打者として最多となるシーズン193安打を記録した山田哲人

「中日はあと4試合です」。山田がそう答えると、トスをあげていた杉村繁打撃コーチが「もう最後の直線コースだ。ここまできたら最多安打のタイトル獲ろうぜ!」と言った。すると、今度は村田正幸打撃投手兼サブマネージャーが、山田のもとへ歩み寄って激を飛ばす。

「行けよ30本塁打!目指せよ3割、30本、30盗塁! で、盗塁は今いくつだっけ」
「15個です」(山田)
「走れよ、あと15個! よし、来年は4割、40本、40盗塁を目指せよ!」

 このやりとりにみんなが笑った。飯原と並んでティーバッティングをしていた相川亮二も「春は30盗塁達成がいちばん近いと思ったけど、今はいちばん遠くなったよな」と笑った。

 そして話題の中心である山田は、手にしたバットを軽く振ると、つぶやくように言った。

「最多安打のタイトル獲りたいなぁ」

 この時点で、山田はセ・リーグ最多安打争いのトップに立つものの、2位の大島洋平(中日)とは、わずか1本差だった。