虎の救世主・岩崎優「心が折れたことは一度もない」 (3ページ目)
―― 大学を出てすぐにプロに行けるかもしれないと思ったのはいつ頃ですか。
「スカウトの方が試合に来ているという話は聞きましたけど、そんなに大きくはとらえていなくて、一応、来ているだけかなと。でも、自分の担当の中尾さん(孝義、阪神スカウト)だけがグラウンドに直接来てくださって、その時は少し思いました」
―― ドラフト指名直後、「指名されると思っていなかった」と言っていましたが、あれは本音だったのでしょうか。
「本音です。4年の春はまあまあだったんですけど、秋は1勝もできなくて、チームも良くなくて、行けるはずないだろうと思っていたので……」
――ドラフト当日は?
「監督に『どうせ指名されないから、みんなで待ったりはしなくていいいだろう』と言われて、『そうですね、いらないです』と。でも、『一応、(プロ)志望届を出しているから、寮にいろ』って言われて、ずっと寮にいました」
―― テレビ中継は見られたのですか。
「1位までしか見てないです。それで、インターネットでドラフトの様子を見ていた友人が、阪神が6位で指名したことを教えてくれたんです。その時は『ウソだろう』と思いました」
―― 「ウソだろう」で始まって、入団会見、新人合同自主トレ、キャンプを経て、今は一軍で投げています。しかも勝っている自分を客観的に見ると、どんな感じですか。
「結構、客観的に見ていますけど(笑)、変な感じがすることもありますね」
―― 岩崎投手といえば、ポーカーフェイスで淡々と投げる姿が印象的です。
「昔からそうでした。ただ、最近よく言われるので、少し意識しているかもしれません(笑)」
―― 意識的に、表情に出さないようにしている?
「投げている時は考えないですけど、ベンチに戻ると……ベンチも映されるじゃないですか。あまりいいことではないでしょうけど、その時は多少、考えることもあります。」
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