2014.04.29

貯金はたった5つ。開幕ダッシュに失敗した巨人の誤算

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「今年の巨人は強い」

 開幕前、多くの評論家から聞いた言葉だ。3月27日にWeb Sportivaで掲載した『解説者7人が順位予想。巨人、ソフトバンクの独走を止めるのは?』でも、7人全員がセ・リーグの1位に巨人を予想した。ある評論家は、「4月でセ・リーグは終わってしまうかもしれない」と巨人の独走を危惧していたほどだ。

打撃不振のチームリーダー・阿部慎之助。

 昨年、巨人は日本一こそ逃したもののセ・リーグ連覇を達成。オフにはFAで広島の大竹寛(通算74勝78敗17S、2013年終了時、以下同)、西武の片岡治大(通算打率.271、271盗塁)を獲得し、中日を自由契約となった井端弘和(通算1807安打、ゴールでグラブ賞7回)を入団させるなど、大補強を行なった。これによりチーム内に激しい競争意識が芽生え、さらに原辰徳監督の「我々は挑戦者ですから」という謙虚な姿勢。隙を探そうと思ってもどこにもない。開幕前の巨人はまさにそんな印象だった。

 実際、開幕当初は順調な戦いぶりを見せていた。10試合を消化した時点で7勝3敗。昨年の開幕7連勝ほどのインパクトはないものの、「巨人強し」を印象付けるには十分な戦いだった。

 だが、徐々に歯車が狂いはじめる。その先陣を切ったのが、スコット・マシソン、山口鉄也、西村健太朗による勝利の方程式「スコット鉄太朗」の不調だった。ひとりならまだしも、3人とも様子がおかしいのである。昨年と今季(成績は4月27日現在、以下同)の防御率を見てみたい。

マシソン/1.03→7.07
山口鉄也/1.22→10.29
西村健太朗/1.13→3.97

 ここまでくれば、もう立派な崩壊である。山口にいたっては、昨年64試合に登板してわずか12失点だったのが、今年は9試合ですでに8失点。4月27日の広島戦でも延長11回裏、エルドレッドにサヨナラ3ランを浴びるなど、いまだ復調の兆しを見せていない。それに代わる投手もおらず、皮肉なことに大竹の人的補償で失った一岡竜司が広島のセットアッパーとして大活躍。逃した魚の大きさを痛感する日々である。