シーズン200安打ならずも、内川聖一が一目置く「長谷川勇也の正体」
史上6人目のシーズン200安打まであと2本と迫っていた、ソフトバンクの長谷川勇也だったが、日本ハムとの最終戦で無安打に終わり、惜しくも偉業達成はならなかった。
史上6人目のシーズン200安打に挑んだ長谷川勇也
今季144試合にフルイニング出場し、打率3割4分1厘を残した長谷川。パ・リーグの首位打者と最多安打を独走しており、プロ7年目にしてタイトルは確実である。また、6月と9月に月間MVPを受賞し、交流戦でもMVPに輝いた。
山形生まれの寡黙な男。決して目立つ存在ではなかった。酒田南高時代は2年夏から3季続けて甲子園に出場したが。専修大学では東都大学リーグの2部でしかプレイ経験がない。2006年の大学・社会人ドラフト5巡目でソフトバンクに入団した。プロ入り後はケガに泣かされ続け、3年目の2009年に打率3割1分2厘の成績を残したが、3割を打ったのはこの時だけ。
それでも、長谷川はチーム内で一目置かれる存在だった。本拠地ヤフオクドームでの試合後は、必ずミラールームにひとり閉じこもりスイングを行なう。「コツコツ......」。それがキャッチフレーズになるほど、地道な反復練習を繰り返す。
「試合後のミラールームは、試合で感じたことをすぐに確認できる時間。いい時も悪い時も、あそこで切り替えられるんです。それに、僕は相手投手と勝負しているのではなく、自分の技術と感覚と勝負している。10回やったら10回できる。いや、年間に600打席あれば600打席同じ感覚でバットを振れるように、その精度を高めていきたいんです」
セ・パ両リーグで首位打者を獲得したことのある"球界のヒットマン"、チームメイトの内川聖一は長谷川についてこう語る。
「ハセ(長谷川)は同じことをコツコツできる。それは僕にはないもの。僕は新しいものにすぐ飛びつきたくなるから(笑)。どっちが正しいとは言えないけど、コツコツとやってきたものが出来上がった時には数字が残ります。だから、ハセの今年の数字は決してビックリすることではない」
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