2013.10.07

阪神がCSで勝つなら、メッセンジャーに打線の援護を!

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 10月8日のDeNA戦の1試合を残している阪神だが、すでにシーズン2位が確定し、3年ぶりのクライマックス・シリーズ(CS)進出を決めている。ところが、チームになかなか勢いが出ない。8月末の巨人戦から10カード連続して勝ち越しなし。9月は6勝16敗2分と大きく負け越し、8月25日に今季最大「17」あった貯金は9月30日の時点で「4」にまで減少した。10月に入り4勝1敗とやや持ち直した感はあるが、それでも広島とのCS第1ステージに向けて不安ばかりが目立つ。

10月6日現在、セ・リーグ奪三振王(183個)のメッセンジャー。

 その最大の要因は投打のバランスの悪さにある。9月に喫した16敗のうち、1点差負けが6試合、2点差負けが5試合。投手陣が好投すれば打線の援護がなく、打線が奮起すれば投手陣が踏ん張りきれないという戦いを繰り返した。なかでも、苦しんだのが先発のランディ・メッセンジャーだ。何度も好投を続けながらも打線の援護がなく、9月はわずか1勝に終わってしまった。野球に「たられば」は禁句であると百も承知だが、打線の援護さえあれば最多勝も狙えたに違いない(現在、最多勝はヤクルト・小川泰弘の16勝。メッセンジャーは12勝)。

 ここであらためて9月のメッセンジャーのピッチングを振り返ってみたい。

 9月5日、DeNA戦(横浜スタジアム)。8回136球を投げて、被安打5、無失点。だが打線がDeNA投手陣から1点も奪うことができず、チームはサヨナラ負け。負けこそつかなかったがメッセンジャーは、「とにかく勝ちたかった。いいピッチングをしても負けてしまったら何も残らない」と力なく語った。

 続く11日の中日戦(甲子園)。この試合も7回を被安打5、無失点に抑える好投を見せていたが、7回裏にチャンスで打席が回ってきて交代。この回、チームが得点し、勝ち投手の権利は得たが、直後の8回にリリーフ陣が逆転され勝ち星は泡と消えた。試合後、メッセンジャーは「点を取ってくれたことは嬉しかったけど、もう少し長いイニングを投げたかった」とマウンドに未練たっぷりだった。

 そして17日の広島戦(マツダスタジアム)。この日もメッセンジャーは絶好調。5者連続三振を奪うなど、7回を1失点、9奪三振と広島打線を抑えたが、またしても打線の援護なく、チームもサヨナラ負け。来日最多となる150球を投げたメッセンジャーは、「今日は戦い続けるしかなかった。投げ終わって、球数を聞いて、びっくりしたくらいだよ」と気丈に振舞ったが、本音は「もうちょっと打ってくれよ……」だったに違いない。それでも「自分の仕事をやるしかない」と言い残しグラウンド去ったメッセンジャー。そのうしろ姿はなんとも痛々しかった。