2013.09.01

将来の日本球界を背負う器。解説者7人の「西武・浅村栄斗」論

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Nikkan sports

 大阪桐蔭高校から2008年ドラフト3位で西武に入団して以来、将来を嘱望されてきた浅村栄斗が、その才能をいかんなく発揮している。5年目の今季は5月末から4番に座り、8月30日時点の成績は打率3割1分7厘(リーグ5位)、24本塁打(同3位)、87打点(同トップ)、得点圏打率は3割5分3厘(同3位)。22歳と12球団で最も若い4番打者はなぜ今季、ブレイクを果たすことができたのか。7人の評論家に、浅村の評価を聞いた。まずは、常勝・西武の礎(いしずえ)を築いたふたりの意見だ。

8月31日現在、パ・リーグ打点王の浅村栄斗

◎土井正博氏(元西武ヘッド兼打撃コーチ、通算2452安打)

「最初に見たときから、必ず上のランクまでいけると思いました。中島(裕之)、栗山(巧)、中村(剛也)と同じように失敗を恐れず、思い切りの良さがある。それがスターの条件です。中島が『メジャーリーグに行きたい』と言ったとき、僕は『出て行くなら、いろいろアドバイスをして後継者を作ってみい』と伝えました。その後継者に指名されたのが浅村。『浅村にわからんことがあったら、それを払拭させてやれ』と話したので、僕が中島に教えたことは、浅村に伝わっていると思います。今年良くなったのは、タイミングの取り方ですね。浅村は打ちにいって、タイミングが合わなければ打つのをやめられるタイプ。それが一番いいバッターの条件です。変化球にも応用が効くし、大胆に狙い球を絞ることもできる。過去2年間100試合以上に出て、今年がレギュラーとして3年目。浅村には『3年間は辛抱せぇ』と話したことがあります。3年間、死に物狂いでやらないとスター選手にはなれない。今年はその3年目で、一番いい成績を残しています。今は4番を任されているけど、4番の責任なんて考えなくていい。そんな余裕はない。いいバッターはいい打順を任されたら、それなりの成果を出せるようになります。浅村はいずれ三冠王を取れるバッター。名球会に入る資質もあります。勝負はこれからですよ。浅村栄斗という選手をもうひとつ上のランクに押し上げるために、いかに自分を作っていくか。来年もこのままの状態でいけるかはわかりません。そうなったとき、ピンチをどうやって乗り越えていくか。それができれば、スーパ―スターになれる。今が始まりです」