2013.03.27

【WBC】メジャースカウトは「侍戦士」をどう見たか

  • 永塚和志●取材・文 test by Nagatsuka Kaz
  • photo by AP/AFLO

WBCでは井端弘和とともに、優秀選手に選ばれた前田健太 ワールドベースボールクラシックが先日、幕を閉じたが、この大会がメジャーリーグ球団のための「選手の品評会」という側面を持つことは、すでに明白な事実となっている。事実、日本からは松坂大輔、ダルビッシュ有などがこの大会で評価を上げてメジャー入りを果たしているし、日本以外でも、キューバから亡命したヨエニス・セスペデス(アスレチックス)などがWBCでのプレイを通して海を渡っている。

 3回目を迎えた今大会にも、多数のスカウトの姿があった。その数は恐らく前回大会よりも増えており、球団によってはスカウトのみならずアシスタントGMなどエグゼクティブクラスの人間も、わざわざ日本でのラウンドに足を運んでいた。

 今大会、日本チームの中で彼らが最も熱い視線を注いでいたのが田中将大(楽天)と前田健太(広島)という日本のトップ投手2人だった。

 WBCのアジアラウンド中に、スカウトに彼らのことを現段階でどう評価しているのか、実際にメジャー入りした時の活躍の可能性といったあたりのことを聞こうと試みたのだが、これが容易ではなかった。こちらが「ちょっとコメントが欲しいのだけど」と声をかけると、小声になって周囲を気にするのである。あるスカウトはいかにも「気が進まない」といった表情で、こちらにこう告げてくる。「ここのところメジャーのスカウトは(メディアに)書かれることを嫌っているんだ」

 松坂やダルビッシュの争奪戦の時もそうだったが、アメリカ人以外のタレント選手の獲得競争は年々激しくなっている。自分の球団がどの選手に目を付けているかといった情報が漏れることをできるだけ抑えたいのだ。

 それでも、名前や球団名は匿名にすることを条件に、ようやく質問に応じてくれた。