2013.03.23

【プロ野球】確変の予感。オリックスナインが語る「糸井効果」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

決勝トーナメント進出を決めたオランダ戦でホームランを放つなど、侍ジャパンの中軸として活躍した糸井 キャンプ直前の電撃トレードでオリックスに移籍してきた糸井嘉男だが、キャンプインからわずか2週間でWBCのためにチームを離れることになった。それでも糸井の加入は、短い期間でもチームに大きな刺激と確かな予感を残していた。

「あの人はやっぱり凄いですよ」

 そう口を開いたのはT-岡田だ。「守備も走塁も......」と続けたが、3年前の本塁打王に強烈なインパクトを与えたのはやはりバッティング。なかでも飛距離だった。

「バッティング練習でも、とにかく飛ばしますし、打球の質もライナーで伸び続けていく。僕の場合はもっと放物線を描きながら伸びていくんですけど......。明らかに打球の質が違います。糸井さんの打球は本当にえげつない」

 昨年の糸井の本塁打は9本だが、WBC2次ラウンドのオランダ戦(3月10日)では特大の一発を東京ドームのライトスタンドに放り込んだように、飛ばす能力は日本代表でも一、二位を争うと言われている。今季40本塁打を目標に掲げるT-岡田にとっても、糸井の加入は相当刺激になっており、チラリと負けん気をのぞかせたひと言にも"糸井効果"が表れている。

 飛ばすだけではない。昨年、リーグトップの出塁率(.404)を誇り、盗塁も22個。森脇浩司監督はまだ打順について思案中だが、大島公一打撃コーチは、「打順は監督とヘッドコーチが決めることなんで......」と前置きした上で、こんな考えを口にした。

「長打力もあるし、打率も期待できる。それだけでなく選球眼もいいし、足もある。1番から4番、どこにでもはまります。もし糸井を2番に置いて、坂口(智隆)と1、2番を組んだら、どんな攻めをするのか、それだけでもワクワクします。どの打順を任されても、状況によっていろんな役割を果たしてくれると思います。糸井が打線に加わることで前後の打者も生かされるし、厚みが出るのは間違いないですね」

 攻撃面はもちろんだが、チーム内からそれ以上に期待の声が上がっていたのが守備だ。佐竹学外野・守備走塁コーチは語る。